半年前から続く左側のお尻と太ももの痛み

今回は、左のお尻から太ももの裏側にかけて、坐骨神経痛のような症状が続いている50代女性の施術例をご紹介します。

痛みが始まったのは約半年前です。

ぎっくり腰の経験はありませんが、この半年間には左膝の痛みも経験されていました。

特につらいのは、横になって寝ているときも、座っているときも痛みが続くことです。

日常生活のさまざまな場面で痛みを感じており、なかなか楽にならない状態が続いていました。

当院では、痛みが出ている左側だけでなく、背骨の土台となる仙骨、腰椎、股関節など、体全体の状態を確認することから始めました。

触診で確認された仙骨の右斜転と腰椎の左捻転

当院では、仙骨から腰椎、胸椎、頸椎へと、背骨の状態を手で直接確認する触診を大切にしています。

今回の検査では、仙骨が右方向へ斜転している状態が確認されました。

さらに、腰椎には左方向への捻転も見られました。

当院が施術の考え方として取り入れている「神経牽引理論」では、仙骨や背骨の傾き、ねじれが神経周辺の組織に負担を与える可能性を考えます。

今回も、仙骨の右斜転と腰椎の左捻転が、左臀部から太もも裏にかけての痛みに関係している可能性を考えました。

ただし、触診で確認した骨格の状態だけで、坐骨神経が実際に牽引されていることや、痛みの原因を断定できるわけではありません。

そのため、仙骨や背骨の状態だけでなく、股関節の動きや左右差、痛みが出る姿勢なども確認しながら施術方針を考えていきます。

痛みのない右側にも見られた動きの制限

施術に入る前に、まず仙腸関節や股関節周辺をゆるめる体操から始めました。

行ったのは、膝を曲げて股関節を開き、カエル足のような姿勢から上体を倒す運動です。

ところが、ここで興味深い反応がありました。

最初に右膝を曲げて引き上げようとすると、早い段階で右腰から右のお尻にかけて痛みが生じました。

一方、普段から痛みを感じている左側では、膝を腰の高さ付近まで引き上げることができました。

つまり、普段の痛みは左側に出ているのに、体操では反対の右側に強い動きの制限が見られたのです。

私は、半年間にわたって左側の痛みをかばう生活が続いたことで、右側の筋肉や股関節周辺にも緊張が生じていた可能性を考えました。

ただし、右側の痛みが筋肉の緊張だけによるものかどうかは、今回の確認だけでは断定できません。

動かしやすい側から始めると、反対側にも変化が

そこで、無理に右側を動かすのではなく、比較的楽にできる左側のカエル足の動きから始めました。

体の反応を確認しながら、無理のない範囲で左右の運動を繰り返していきました。

すると、最初は難しかった右側のカエル足も、次第に楽にできるようになりました。

これは今回の検査と体操の中で、特に印象に残った変化です。

痛みがある側だけを見ていたら、反対側の動きの制限には気づきにくかったかもしれません。

体は左右それぞれが独立しているわけではなく、骨盤や背骨を通じて連動しながら動いています。

そのため、痛みのある側だけでなく、反対側の関節や筋肉の状態も確認することが大切だと考えています。

初回の施術|仙骨の傾きと腰椎の捻転を調整

関節周辺をゆるめる体操を行った後、仙骨と腰椎の状態に合わせて施術を進めました。

今回は初回のため、体の反応を確認しながら、無理のない範囲で矯正を行いました。

仙骨の右斜転に対する調整と、腰椎の左捻転に対する調整を、それぞれ状態を確認しながら進めています。

施術後に再び触診すると、仙骨の右斜転は、触診上では整った状態になっていました。

一方、腰椎の左捻転はまだ残っていました。

また、施術前には硬さが見られた股関節も、施術後には外旋方向の動きが良くなっていました。

その後、仰向けになっていただき、下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)に似た姿勢を取りながら、下肢の状態を確認しました。

痛みを強めない範囲で、下肢の柔軟性や関節の動きを確認しながら、時間をかけてストレッチを行いました。

施術後の変化と今後の課題

初回施術後には、股関節や下肢の可動域に大きな変化が見られました。

しかし、腰の痛みはまだ残っています。

今回の方は、筋肉量も少ない印象があり、体を支える筋力についても今後確認していく必要があると考えています。

ご本人には、施術で一時的に骨格の状態が整ったように確認できても、その状態が長く続くとは限らないことをお伝えしました。

特に今回は、腰椎の左捻転がまだ残っています。

今後も、仙骨や腰椎の状態、股関節の動き、筋力などを確認しながら、体の変化を見ていく必要があります。

また、施術だけに頼るのではなく、ご自身でも無理のない運動を続けていただくことが大切だと考えています。

筋力トレーニングについても、今後の体の状態を確認しながら、必要な運動を少しずつ取り入れていく方針です。

院長の考察|痛みのある場所だけを見ないことの大切さ

今回の施術で、改めて感じたことがあります。

それは、痛みを感じている場所と、実際に動きが制限されている場所は、必ずしも一致しないということです。

今回は左臀部から太もも裏にかけて痛みがありましたが、最初の体操では、反対の右側の腰からお尻に痛みが出て、股関節の動きにも制限が見られました。

そして、比較的動かしやすい側から体操を繰り返したことで、右側の動きにも変化が現れました。

また、触診では仙骨の右斜転と腰椎の左捻転を確認しました。

当院では、神経牽引理論を施術の考え方の一つとして取り入れていますが、それだけですべての痛みを説明できるわけではありません。

骨格の状態、筋肉の働き、関節の可動域、日常生活での体の使い方など、さまざまな要素を総合的に確認することが大切だと考えています。

そして、背骨コンディショニングの根本にあるのは、運動によって改善を目指せるものは、ご自身の運動でも良くしていくという考え方です。

整体による施術で体を整えることに加えて、日常生活の中で筋肉を使い、関節を動かし、自分で体を管理できるようになること。

それが、当院の目指している方向です。

今回の方は、初回施術で股関節や下肢の可動域に変化が見られましたが、痛みはまだ残っています。

半年間続いている症状ですので、今後の経過を丁寧に確認することが必要です。

また、安静時にも続く痛みがあるため、腰の症状について整形外科での評価を受けることも大切だと考えています。

施術で整えることと、自分で体を支える力を育てること。

その両方を大切にしながら、一人ひとりのお身体と向き合っていきたいと思います。


左のお尻から脚にかけての痛みでお悩みの方へ

背骨整体院 堀内では、腰痛や坐骨神経痛のような症状について、仙骨や背骨の状態、関節の動き、筋肉の働きなどを確認しながら、無理のない施術とセルフケアをご案内しています。

同じようなお悩みをお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

※施術による変化には個人差があります。本記事は実際の施術例であり、同様の結果を保証するものではありません。坐骨神経痛のような症状にはさまざまな原因があります。長引く痛みや安静時にも続く痛みについては、まずは、整形外科などでの検査もおすすめします。

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